Hall of Verse

詠歌の間

ひさかたの光を厭い闇路にて捨つる命の銭より安き
歌の生まれた経緯
窓の外では、静かな雨が石畳を叩き、濡れた土の香りが薄暗い室内に流れ込んでいる。行灯の淡い光が揺れる中、私は墨を磨り、この歪な浮世を見つめていた。近頃、巷で耳にするのは、闇の深淵に手を貸し、自らの未来を二束三文で売り渡す者たちの噂だ。古の歌人が月や花を愛でたその感性は、今や金銭という名の虚像に食い荒らされているのだろうか。私の胸に灯る憤りは、激しく燃え盛る炎ではなく、冷たい水底で静かに渦巻く黒い潮流のようである。若さという、何物にも代えがたい光り輝く宝を、なぜこうも容易く奈落へ投げ捨てられるのか。筆を滑らせるたび、その愚かさへの嘆きと、弱者を食い物にする冷酷な構造への怒りが、言葉となって紙に染み込んでいく。しかし、こうして静寂の中で筆を執り、心の奥底にある真実を紡ぎ出せることに、私は一筋の喜びを感じている。この言葉が、迷える魂への鎮魂歌となれば良い。
情景 / Scenario View
Story Scene
歌のイメージ / Verse Vision
Poem Vision
AUDIO RECORDING (POEM & STORY)
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